イメージや制作途中メモの書き起こし+少し解説。Part3です。
※歌詞にも触れているので独自解釈が好きな方はご注意ください。
掲載曲リスト
曖昧ステップ
心が拒んでいる
春びらき
曖昧ステップ
動画:アルセチカ
歌:可不
選択への違和感をテーマとした曲です。これ以前の曲は最初にストーリーや世界観を設定していますが、今曲は初めてテーマのみで制作を開始しました。踊れる曲を作りたかった。 せっかく楽しそうな曲調だし怨嗟の込もった歌詞にしたく。ストレートな表現だけど秘めたる思いもあり中々気に入っています。グリザイユ画法は灰色の下地をベースとして色を塗っていく手法だそう。 アルセチカさんに初めて動画お願いしました。1番が送られてきた日、17時くらいのバスで叫びそうになったのを鮮明におぼえてる。 ・イントロの「あーあーあー」は元々楽器が鳴ってたのですが可不さんに任せたら良い感じだったので採用 ・ピアノソロは硬さの異なる2種類のピアノ使ってみました ・裏メロもバッキングもピアノだった。使いすぎな。だからMIX大変なのかもしれない......... ・アレンジが相当楽しかった。「ダンス ダンス」がポイント ↓ 以下, 制作メモより引用
世界は元々とても曖昧で、なのに私達は勝手に線を引く。
例えば四季は天文学に基づく「1年」を気象状況によって4つに区分しただけで、どのタイミングから秋なのか冬になるのかその線引きは非常に曖昧だ。私も春が短いなぁとか思うが人間が勝手に4つに分けてるだけなのでそういうことも当然起こる。
じゃあ人間はなぜラベリングをするのか?それは多分便利だから。便利というより使わないと不便なんだろう。「毎年よく雨降る季節あるなぁ」では会話は成り立たないし社会生活では必要なことなのだと思う。
だから人間は線を引く。世界はこんなに曖昧なのに。
四季や性別、時には敵味方まで選ぶことを強いられる。私達は灰色の世界を白黒に塗り分けている。
心が拒んでいる
動画:アルセチカ
歌:初音ミク
どうしようもないことはどうにもならない。覆水は盆に戻らない。 なのに今この瞬間は心が拒んでいる。忘却の瞬間はまだ少し先が良い。 まあ放っておいても消えていく、いつか忘れて仕舞うのだ。 -- 人間はなぜ忘れるのか? - その方が幸せだから。 そんなことを考えたことがあって、きっとその辺りから出てきた曲です。忘れることは心を亡くすこと。それも一つの幸せなのでしょう。 忘れっぽい女の子が自問自答している形式で歌詞作っていて、そのイメージをアルセチカさんがしっかり掘り起こしてくれて動画にしてくれました。こっちからもかなり要望出した。本当に感謝 もう手の届かない思い出を想う、そんなテーマがどうも好きでこんな曲ばかり描いている。
昔から心の底で鳴っていた曲。思いついたきっかけすら思い出せない。 ・メロが先にあったので初めて使うコード進行になった ・Cメロ~ラスサビ~アウトロの繋ぎがこの曲でやりたかった一番だった気がする ・駆け上がるようなピアノは強い風が吹き散らすイメージから。
・冬眠からの目覚め、冬から春への変化みたいだと重ねた
・この曲のために買ったYAMAHA-CFXの音源、リアルすぎて他の曲で使いづらすぎる。音は最高
春びらき
動画:アルセチカ
歌:初音ミク
きっといつかはすべて忘れる。だから進みたくもなかった。 でもこの儀式の日を以てお開きにしようと初めて思う。 そして手を振ろう、あまりに淡い君に。春に。 -- 人は生きるうち幾つか儀式に遭遇する。 儀式とはそれまでを思い出して整理する、いわば区切りイベントのことと思っていて冠婚葬祭なんかがまさにそう。 そして本作のテーマである卒業式もその一つで、強制的に次へ進むためのイベントだと思った。 実を言うと私は高校生活も卒業式もほとんど記憶にないのだけど、「思ったより寂しかった」という式当日の記憶だけが鮮明にありテーマにしたいなと思っていました。 きっと記憶は卒業式に置いてきたんだと想います。そういった解釈から作った曲。 本作は「eneeemy」という企画に参加した猫溜まりという曲の1年後を描いたものです。ここ見てる人ならほぼ知ってそうだけど つまり前作のキャラクターが登場するうえ、彼は他人から様々影響を受けている。そう残念なことに人は他人から刺激を受けてしまうのです。その中でお別れが苦手そうな子がどんな卒業日を過ごすのか想像して、色々重ね合わせて歌詞にしました。 猫溜まり制作時からのキャラクター像の一つに「考えすぎる子」というものがあって本作でも色濃く出ています。もっと気楽になれよ。もう頑張るな。 ・曲単体でも(eneeemy抜きでも)成立させたい我儘があり、その分MVでアルセチカさんに暴れてもらった(もらえた) ・春らしい浮遊感を意識したアレンジにしました。弦とピアノが最強タッグなんだよな。 ・具体的にはサビ後半でベース切って低音減らすとか。サビからイントロの繋がりは特にこだわりました。 ・過去曲のコードとかメロの自己引用がかなり激しい。今思えば少しやり過ぎ。まあ偶にはよし
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